窮地では、人としての資質が問われる
カシメロの引退を受けて。
個人的に思ったのは、ボクサーとしてどうのこうの前に人として終わってるとリングにすら立てないんだなぁと思いました。
よく『仕事ができれば、人間的な部分は関係ない』と言う人がいますが、人間的に終わってる人が仕事できた試しがないと思っています。
稀に『仕事ができる超人』が奔放だったことはあっても、人間としてだらしのない人が仕事できるってまぁないなと。
だいたいは、仕事もだらしなく、私生活もだらしなく。
道徳観も社会性もないタイプは人に迷惑をかけてばかりで、めっちゃ嫌われてます。
だから、窮地に陥った時、誰も手を差し伸べてくれない。
そして、終わる。
カシメロもそんな感じですね。
最後の最後、トレジャー・ボクシング・プロモーション(代表伊藤雅雪)が契約してくれてどうなるかと思ってましたが、大幅な体重超過。ありえないですよ。1kg超え。
そんでもって空港での襲撃騒動。
その結果、日本の試合から追放されました。
もう見放されましたね。完全に。誰からも。
そして、ついに引退とのことです。
理由は「井上が相手じゃないなら、もう戦わない」
いい大人がここまでガキムーブするかなと。
ルールも守れず、人としての礼儀も戦績の魅力もどうかな。
どこまでも嫌われ者ですね。
悪童と言えば…ルイス・ネリ!
ネリだってかなりのFワードものでした。
山中元チャンプを応援していたファンとしては、二度と日本の土を踏まないで欲しいと願っていましたし、実際井上尚弥VSネリの試合は腹が立つから観ませんでした。当日は。
でも結局、観たいからね。試合は。ボクシング好きなので。
のちに観ましたが、解説に山中元チャンプを招いていまして、まぁ一応の筋は通した形なんでしょうか。
山中元チャンプも言っていましたが「飽くまでも井上尚弥VSネリの試合なんで」と。
試合後、直接謝罪を受けたとは言え、6年後。いい気はしなかったと思いますよ。
写真見ても笑顔はなかったですから。
選手生命をネリによって終わらされて笑えるわけはないと思います。
当時も散々バッシングを受けたネリですが、ヒールとして井上尚弥戦で日本、それも大舞台、大注目の試合に戻ってきました。指名試合と言う形で。
ここでコケたら確実にボクシング界から追放される。
ネリは前日軽量500gアンダーという異常な減量をしました。
日本ボクシング界の敵と言うキャラクター。
それをボコボコに倒して溜飲を下げる試合の流れがあったとは思います。
でも、蓋を開けてみると1Rからネリがダウンを取るわけです。
井上尚弥チャンプの顔は「まじか!」でした。
どう見ても「まじか!これがダウンか!」ですよ。
あの初っ端を観た時は溜飲を下げるどころか…と思いましたけど、まぁさすが上手いし強い井上尚弥チャンプは面白い試合展開を作りましたね。
日本ボクシング界にカムバックできたネリと追放されたカシメロの違いは、戦績。
当たり前だけど戦績が違う。
ボクシングをやったかどうか。
この違いでしょう。
最低限のギリギリのラインでボクサーだったかどうか。
6年前、ネリも無礼でリスペクトのない人間ではあったと思います。
でもそこからボクシングをして、団体から井上尚弥チャンプとの指名試合を命じられるランカーになったわけです。ボクサーです。
だけど、カシメロはSNSで炎上し、空港で襲撃したり、ただのお騒がせインフルエンサーみたいな立ち振舞。
ボクサーとしての魅力は、人としての魅力でもあると思います。