Loose Lipsの「BL」は人と人の結びつきの一種
BLについて本気で考えたこと カテゴリーの記事一覧 - 腐女子・腐男子じゃないけどBLゲーム制作
これまでの記事でもLoose LipsのBLについて書いてきましたが、少女漫画ベースの恋愛模様を描いた「BL」ではありません。
恋愛描写は省いています。
じゃあ、ゲイ向けなのかと言われると性愛や性行為を直接的に描いたこともありません。
FANBOXはあくまでも本編外なので、ifストーリーとして色々やってます。
主人公カサイと死刑囚セディの結びつきに関して名前をつけるなら、ジャンルを与えるなら「BL」であるということです。
じゃあ、軽く捉えているのかと言うとその逆で、なぜセドリックが殺人鬼になったのかという理由の根底に関わってきます。
ですが、Loose LipsをLoose Lipsたらしめているのは、むしろそれ以外だったりするんじゃないかと最近は考えています。枝葉の部分。
社会性の強い作風なので、楽しい気持ちで遊べるゲームでは決してありません。
たとえば前作の『Loose Lips(SIDE:foggy)』では、アジア人差別や若者のホームレス問題、薬物依存、不妊問題など僅かではありますが描きました。
これらは社会に生きていれば、少なくとも目を塞がない限り、飛び込んでくる情報です。
実際に自分が肌で感じたものから考え、フィクションとして再構築しているものもあります。
たとえば、アジア人差別。
アメリカでの出来事を思い出すと中には理不尽だと思うような悔しい思いもしました。
ごく当たり前に、普通に、ナチュラルに差別されます。
それが悪いことだと意識せず、意図せず差別されます。
だから気づけば中国人や韓国人と助け合い、アジア人グループで一致団結します。
実際アメリカでトラブルになった時、いの一番に助けに駆けつけてくれたのは韓国人でした。
正直、アメリカでの日本人は「白人と同じ」という意識が強い人が多いように感じます。日本人が最も日本人を嫌ってるように感じました。そして、日本人は差別されないなんて見て見ぬふりする人もいる。それが一番残酷だと感じました。
ゲームの中では、ある事件の犯人がアジア系の被害者ばかりを狙っていて、それを白人警官達が捜査しない=事件化しないというエピソードを取り上げました。
フィクションですが、舞台となった1995年ではそんなの日常と言ってもいいくらい普通のことでした。
それが白人以外の人種に起こる日常でした。過去形でかいていますが、今もまだ起きている日常です。
そういうものをLoose Lipsシリーズではずっと描いてきたし、最後まで描き続けています。
だけど、こういう肌に感じる不快感や問題をよりアクチュアルに感じて欲しいからゲームと言う媒体を使って制作しているわけで、実際に本や漫画、アニメよりもその度合は「体感」するので強くなります。
なので、今回は特に不快に感じる人や苦手な人が誤ってプレイしてしまわないように、『Loose Lips(SIDE:foggy_dawn)』はしつこいくらい同意を取ることにしました。
Loose Lips(SIDE:foggy_dawn)は、あくまでもBLがベースにあるサスペンスヒューマンドラマです。
BLだけを描かないからこそ「カサイとセディの関係=BL」が際立つとも思っています。
サスペンスBLドラマゲーム『Loose Lips(SIDE:foggy_dawn)』は無料公開
Windowsゲームです。無料でリリースします。
サスペンスを作る時は、ハラハラドキドキしてもらえるようなものを作りたいと、そういう気持ちで制作しています。
このゲームを面白いと感じてくれる人に届くようにと、今はただ願っています。